こんにちは。
シンガーソングライターの福島亮介です。


今回の曲はスピッツの「魔法のコトバ」。
伸びる高音に聴きやすいメロディ、かわいらしい雰囲気が感じられる歌詞にきれいなアルペジオ。らしさがつまったこれぞスピッツという1曲。MVでみんなでギターを弾いているシーンも印象的。スピッツのこういうシーンは本当に映えますよね。

今は離ればなれになっている二人という前提があって、それに対する主人公の寂しさや乗り越えようとする気持ちがこの曲の舞台になっています。じっくり歌詞を読み進めると、「魔法のコトバ」を大切に主人公が強く毎日を過ごそうとする姿がありでも隠しきれない本音もあり、切なくも共感ができるストーリーが見えてきます。

それでは今回も詳しく歌詞を見ていきたいと思います。

 

 

 

楽曲情報


■スピッツ「魔法のコトバ」
31th Single
B面 シャララ
発売日 2006年7月12日
収録アルバム さざなみCD
作詞 草野正宗
作曲 草野正宗
編曲 スピッツ&亀田誠治
MV https://www.youtube.com/watch?v=gPTFyx2R46w




 

歌詞解釈




【Aメロ】主人公の心情が伝わる始まり






あふれそうな気持ち 無理やりかくして
今日もまた 遠くばっかり見ていた
君と語り合った 下らないアレコレ
抱きしめてどうにか生きてるけど

出典:http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B17495

>あふれそうな気持ち 無理やりかくして
>今日もまた 遠くばっかり見ていた
「あふれそうな気持ち」は素直に考えれば『君』に会いたいという気持ち。それを無理やりかくして毎日のように遠くばかりを見てしまう主人公。遠く見るその先にはおそらく『君』の姿が浮かんでいるのでしょう。

出だしから、遠くにいる『君』のことを考えそればかりではいけないと思いながらもやはり何も手に着かない虚無感の中にいるような主人公の様子が伝わります。

>君と語り合った 下らないアレコレ
>抱きしめてどうにか生きてるけど
そんな寂しさを埋めるために主人公の頭で巡っている『君』との回想シーン。特に目立ったキラキラした思い出ではなく、「下らないアレコレ」を抱きしめて主人公は毎日をなんとか乗り切っています。


『君』と離れ日常から『君』がいなくなったとき。そういうときに本当に愛しく思い出されるのは、例えば仕事のグチだったり、その日見た変わった夢だったり、他の人から見ればいわゆる「下らないアレコレ」なのかもしれないですね。

そして最後をしめる「けど」。ここにも主人公の吹っ切りきれない含みのようなものも感じます。「けど」の先に続くのが主人公の本音であり心の声。そこが隠されていることで一層哀愁を予想させられてしまいます。


【サビ】二人だけの「魔法のコトバ」






魔法のコトバ 二人だけにはわかる
夢見るとか そんな暇もないこの頃
思い出して おかしくてうれしくて
また会えるよ 約束しなくても

出典:http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B17495

>魔法のコトバ 二人だけにはわかる
>夢見るとか そんな暇もないこの頃
このサビで登場する「魔法のコトバ」。タイトルにもなっているこの曲の核となる歌詞ですが、その魔法のコトバが具体的に何なのかは最後まで出てきません。「ありがとう」や「愛している」など月並みな言葉でもあてはまりそうですが、次の歌詞からもっと二人だけが知ってる特別な言葉なのかなとも感じます。

>思い出して おかしくてうれしくて
>また会えるよ 約束しなくても
思い出しておかしくてうれしい。これは一緒にいたときの2人の時間や空間のこととも取れますが、思い出してるのはこの「魔法のコトバ」なのではないかとも考えられます。

この短くでも二人だけが知っている「魔法のコトバ」にはそのときの二人の世界が凝縮されていて、この言葉を口にすることでそのときの温度や匂い、景色などがリアルに蘇り先のAメロでの「下らないアレコレ」なども含め主人公はおかしくうれしい気持ちになれるのではないでしょうか。


そして最後の一文「また会えるよ 約束しなくても」。この歌詞を見るまでは二人は恋人かそれに近い関係なのかなと思いましたが、もしかしたらその出会いは一時的なもので特に頻繁に会う理由がない二人なのかもしれません。そうだとすれば、ここまで見た『君』を想う気持ちやそんな短期間でも「魔法のコトバ」が生まれていることから、その出会いは主人公にとってとても強烈だったのでしょう。

またこの歌詞は自分に言い聞かせているようにも聞こえますが、『君』に向けて伝えているようにも思えます。もしかしたら『君』も主人公と同じ気持ちであり主人公はそのことがわかっているのかもしれないですね。


【Aメロ2】主人公の本音とわがまま






倒れるように寝て 泣きながら目覚めて
人混みの 中でボソボソ歌う
君は何してる? 笑顔が見たいぞ
振りかぶって わがまま空に投げた

出典:http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B17495

>倒れるように寝て 泣きながら目覚めて
>人混みの 中でボソボソ歌う
倒れるように寝て、泣きながら目覚める。何とも過酷な毎日を想像しますが、1番サビで「夢見るとかそんな暇もないこの頃」とあるように主人公は多忙な毎日の中にいるのかもしれません。または『君』に会いたいけど会えないという虚無感で埋め尽くされた心理状態を指しているとも考えられます。

そしてそんな心身ともに過酷な状態にあり人混みの中でボソボソ歌う主人公。そこには覇気も意思もなくかろうじてギリギリ声になっているような、人混みにかき消されてしまわないように何とか自分の存在を保とうとしているような弱々しい様子が伝わります。


>君は何してる? 笑顔が見たいぞ
>振りかぶって わがまま空に投げた
ここの歌詞は2つの解釈ができると思います。全く違う意味になるのでそれぞれ見ていきます。

  • ①『君』にわがままをぶつけるパターン

最初はわがままを『君』に気持ちのままぶつけるパターン。弱った主人公が思い浮かぶのはやはり遠くにいる『君』のこと。もう一度会いたいという気持ちを遠くにいる『君』に届けと思いっきり投げる様子。心身ともに過酷な毎日、そして日に日に膨らむ『君』に会いたいという気持ち、ついに耐えきれずここでその気持ちを『君』にぶつけます。

ただ主人公はそれを自分の「わがまま」と思っているんですよね。1番サビで見たようにやはり恋人というわけではないのか、もしくは仕事や家庭の都合などで少しの間会えない環境にいる二人なのか、どちらにしろここからも主人公が『君』を思うが故の哀愁が伝わってきます。

  • ②わがままを飲み込みこらえるパターン

続いてはわがままを堪え飲み込もうとするパターン。『君』に会いたい笑顔が見たい、でもそれは叶わないわがままだとわかっている主人公は、それを振りかぶって思いっきり空に投げ捨てます。ここから主人公がグッと気持ちを堪える様子も伝わります。

その結果、また冒頭のAメロのように「あふれそうな気持ち無理やり隠して 今日もまた遠くばっかり見ていた」という状態になってしまうのかもしれないですね。これが何度も繰り返されているのだとしたら、かわいそうで少し同情してしまいます…。


【サビ2~Bメロ】「魔法のコトバ」の意味と役割






魔法のコトバ 口にすれば短く
だけど効果は 凄いものがあるってことで
誰も知らない バレても色あせない
その後のストーリー 分け合える日まで

花は美しく トゲも美しく
根っこも美しいはずさ

出典:http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B17495

>魔法のコトバ 口にすれば短く
>だけど効果は 凄いものがあるってことで
>誰も知らない バレても色あせない
ここで二人の「魔法のコトバ」について少し知ることができます。それは誰も知らない二人だけの言葉であり、それはバレても色あせない、つまり他人がその言葉を知ったとしても二人以外には意味がなく立ち入ったり使い古すような邪魔のできないもの。二人に対しての効果が薄れることはなくずっと続いていくもの。

>その後のストーリー 分け合える日まで
そしてその効果はその後のストーリーを分け合える日まで続きます。「その後のストーリー」とは二人のこれからの人生、それを二人で分け合うということなので主人公は『君』と共に過ごす人生を願っているということがわかります。

この「魔法のコトバ」は、主人公にとっていつか訪れる『君』と一緒に過ごす時間までのお守りのような役割になっているのかもしれないですね。


>花は美しく トゲも美しく
>根っこも美しいはずさ
花が美しいのは当然ですが、トゲも根っこも美しいはずと考える主人公。

  • =いつか訪れる『君』と過ごす幸せな人生
    トゲ =『君』に会えない苦しみや辛い今の環境
    根っこ =今まで『君』を想い続けてきた気持ち

このように考えると、トゲや根っこがあってこそ花は美しく咲くもの。その美しさはトゲや根っこがあってこそ成り得るもの。主人公がそんな風に前向きに考えようとしているような姿が浮かびます。

  • ・下らないアレコレを抱きしめてどうにか生きている
    ・夢見るとかそんな暇もないこの頃
    ・倒れるように寝て泣きながら目覚める
    ・人混みの中でボソボソ歌う

こんなに哀愁を漂わせていた主人公がポジティブにこう考えられるようになったのも、この「魔法のコトバ」の効果かもしれないですね。


【サビ3】寂しさから強い意志への成長






魔法のコトバ 二人だけにはわかる
夢見るとか そんな暇もないこの頃
思い出して おかしくてうれしくて
また会えるよ 約束しなくても
会えるよ 会えるよ

出典:http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B17495

1番と同じ歌詞ではありますが、サビ2~Bメロ後にあらためて見てみるとまた違った表情があります。1番のときにはどこか隠しきれない寂しさや哀愁を感じられました。でもこのラストのサビでは「魔法のコトバ」を大切に、また会える日までそしていつか一緒に過ごせる日が来るまで頑張ろうという強い気持ちが伝わってくるような印象があります。

最後の「会えるよ」の繰り返しからも、会いたいという強い願いと期待、そしてまた会えることを信じて今を乗り越えようという意思が感じられますよね。

 

最後に





今回は離ればなれになっている二人という前提で、主人公が寂しさや隠しきれない本音を持ちながらも毎日を強く生きていくというストーリーとして見てきました。

この曲に登場する二人のように、「魔法のコトバ」を持っている人たちはたくさんいると思います。この「魔法のコトバ」は大きな意味で取れば言葉だけではなく、二人の間で培われたものすべて、二人が作ってきた世界の総称。さらに言えば恋人や男女間だけではなく、友人・家族・同僚などすべての関係で生まれるものです。

この主人公のように、その「魔法のコトバ」を思い出して気分が安らいだり勇気が出たりという経験がある人もきっとたくさんいますよね。草野さんの歌詞を借りれば、それは「誰も知らない バレても色あせない」もの。自分だけの大切な幸せです。

そんな「魔法のコトバ」。過酷な毎日を乗り越えるために、そしてその人との時間がかけがえのないものであり続けるために、大切に育んでいきたいですよね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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