こんにちは。
シンガーソングライターの福島亮介です。

日常会話の中で、ついつい相手の話の腰を折ってしまったり、気付いたら自分の話ばかりをしてしまったり。または逆に話すことが苦手で素っ気ない返答しかできなかったり沈黙になってしまったり。そんな苦い経験をお持ちの人も多いと思います。
そんなときに役に立つのが、コミュニケーションや人間関係で重要視されている「聞き上手」というスキル。聞き上手になることでスムーズな会話により相手に安心感や信頼感を与えられるだけではなく、多くの情報やそこから得る知識・感情の変化などで人間としても更に成長することができます。
ということで今回は、聞き上手になるには、そしてそれを長所とするためにはどうすれば良いのか。聞き上手の人が持つ特徴も見ながら考えていきたいと思います。
目指すべきは聞き上手ではなく「話させ上手」

聞き上手な人は、とにかく相手に話してもらうことを意識します。人は話をしている間に、自分の思考や感情を確認したり記憶を修正したり、ときには気付かなかった気持ちや解決案などの発見があったりして、ぼやけているその物事を少しずつ整理していきます。そのときしっかり自分の話を聞いてくれる相手に、感謝であったり信頼感や安心感が自然と生まれます。
聞き上手の人には「ついつい」多くのことを話してしまいますよね。それも話をさせられているのではなく極自然に自分の意思で。それは聞き上手な人であればあるほど、聞くだけではなくそこから相手に話をさせるための姿勢や、相槌・リアクション、質問などを的確に行っているからです。
聞き上手になるための近道は、まず相手に気持ちよく話をしてもらうためにはどうすれば良いかを意識すること。そこを意識することで、「聞く」ということの重要性ももっと理解することができます。
話すことで満たされる自己重要感
誰もが持っている不安やネガティブな気持ち

誰でも大人になるほど悩みやコンプレックスを抱え、自分の存在や価値に対して不安やネガティブな考えを持つようになります。それは「自分は必要な人間である」と思える自己重要感を低下させ、自分らしさを見失ったり何事に対しても無気力になったりと豊かな毎日への悪影響になってしまいます。
強い人はそれをバネにして自分で自分を認めるための努力をしますが、環境や立場によって誰もがそうできるものでもありません。多くの人は誰かに思いの内を話したり、ときには自分の弱い部分をさらけ出したりして、それを相手に受け入れ認めてもらうことで自分の価値を保とうとします。

聞き上手な人は、そんな相手の不安やネガティブな気持ちの解消を手助けし自己重要感を高める存在になることができます。それは寄り添う姿勢で聞くことで相手に自然と話をさせることができるから。
相手にとって普段人に話したくないような情けなく恥ずかしいことでも、聞き上手な人が自然と話をさせてあげることで、更にそれを受け入れ肯定的な反応をすることで、不安やネガティブな気持ちが緩和されていきます。
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話させ上手は相手の承認欲求を満たす

また不安やネガティブな気持ちと一緒に、人は誰でも認めてもらいたいという欲求も持っています。個人差はあれどあまりに過度な承認欲求は素直な心を忘れ、歪んだ価値観や自分にも周りにも否定的な考えを持つようになったりと、得るべき幸せを遠ざけることに繋がっていってしまいます。
この承認欲求もまた、相手に自分の話をして認め受け入れてもらうことで満たされていきます。承認欲求が強い人は、基本的に自分の気持ちを素直に伝えることが苦手で弱い部分を見せることに抵抗を持つ傾向があります。
そういった人との会話では、もしかしたら自慢話や知らない人の愚痴などを延々と聞かされるかもしれません。ただ聞き上手な人はそんな相手に対しても自然と尊重や寄り添う気持ちを持ち、親身に耳を傾けます。その結果、相手に信頼や安心感を与え、少しずつ承認欲求を満たしていくことができます。
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聞き上手の人の特徴

聞き上手の人はどうして相手に気持ちよく自然に話をしてもらうことができるのでしょうか。それは聞き上手の人が共通して持つ、特徴の効果によるものです。
天性のものでなくても、それは意識することで誰でも身に付けることができます。そしてその結果、会話は弾み安心感や信頼感を持ってもらうこともできます。聞き上手の人には共通するたくさんの特徴があると思いますが、その中でも代表的なものについていくつか考えてみます。
相手の話を否定したり遮ったりしない

人は誰でも自分のことを話したい、わかってもらいたいという本能があり、聞き上手の人はそこを理解した上で会話に臨んでいます。話の腰を折ったり否定するような回答や質問はせず、相手が言葉に詰まったとしても最後まで話を聞きます。
話がまとまっておらず沈黙ができたとしても、相手は話をしながら自分の気持ちや感情を整理しています。そこで横槍を入れることで相手はペースを崩してしまいます。話を否定せず、遮ったりしないということが大きな特徴のひとつです。
相手の言葉を使い返答する

例えば「上司に○○って言われて嫌な思いをしたんだよね。」という話であれば、「○○って言われたんだ…。それは嫌だね。」など相手の言葉を使ったり同じ意味の別の言葉に置き換えたりして返答をすることで、相手には自分の話が中心でしっかり聞いてもらえているという感覚から自己重要感が高まります。
更に同じ言葉を使って返答することで
- 相手「上司に○○って言われて嫌な思いをしたんだよね。」
自分「○○って言われたんだ…。それは嫌だね。」
相手「そうなんだよ。まぁみんな同じような状況はあると思うけど。」
というように、相手は次の発言の前に自然と聴き手の共感に対する回答から入れるため、会話のキャッチボールもスムーズになります。
求められたときのみ意見やアドバイスをする

聞き上手の人は、基本的に会話をコントロールしながら主導権は常に相手にある状態を保ちます。なので自分の意見や間違いの指摘、アドバイスなどは積極的には行いません。本当に相手が困った様子だったり、求められたときのみ自分の意見を言います。
誰かの愚痴や相談のときなど、多くの人はある程度自分の中で答えは決まっていて、アドバイスや他人の意見ではなく自分の考えに対する共感を求めています。聞き上手の人は、そこを理解して傾聴と共感に徹します。
自分を下げることに抵抗がない

聞き上手の人は、自分の情けない部分や恥ずかしい部分を見せることを弱さと考えず、抵抗がありません。その話を聞いた相手は、先に心を開かれたことで素直になり自分の心を開きやすくなります。
聞き上手の人についつい秘密や普段人に言えないようなことを話してしまうのは、ここに理由があるのかもしれません。自分を下げるためには、心の余裕だったり相手への信頼感が必要になります。聞き上手の人は自然とその大切さを理解し、持ち合わせているのではないでしょうか。
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的確で本音を引き出す質問ができる

質問には「はい・いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンや自由に答えられるオープンクエスチョンがありますが、聞き上手の人はこのオープンクエスチョンの使い方が絶妙で上手と言えます。
大切なのは相手の本音を引き出すための質問であり、これはカウンセラーなどもとても重要視している内容です。相手は適切な質問に対して考えたり回答することで自分の中でぼやけている問題がどんどん明確になっていきます。
聞き上手の人が行う質問というのは、自分が答えを知るために行うものではなく、相手に自分で答えを気付かせるために行うもの。そのためには自分もしっかり相手の立場になって、話だけではなく相手の心の内も察するように寄り添うことが必要になってきます。
聞き上手になるための最初の一歩

聞き上手になるためには先ほど挙げた特徴を身に付けることが効果的ですが、いきなりできるものばかりではありません。ここからは、まず聞き上手を目指す上で誰でもできる最初の一歩から考えてみたいと思います。
傾聴・共感などの寄り添う姿勢

自然に自由に話をしてもらうためには傾聴と共感が最も重要。相手に寄り添い傾聴と共感ができていれば、次のようなことも自然とできるようになると思います。

- 否定的な意見を言ったり途中で話を遮ったりしない
- 口調や話すスピード、温度感などを相手のリズムに合わせられる
- 相槌や頷き、驚きや感心などの適切なリアクションが取れる
- 認めて肯定し、労ったり褒めたりすることで相手の自己重要感を高められる
- 相手が本当は何を言いたいのかということに目が向き、的確な質問もできるようになる
また寄り添って聞こうとする姿勢は真剣に話そうとする人であればあるほど伝わるもので、ぎこちなかったり不器用であっても相手には安心感や信頼感がしっかり伝わります。難しいことを考えるよりも、まずは相手と相手の話に興味を持ち、傾聴・共感をするところを徹底することが聞き上手への第一歩になります。
視線や表情・姿勢などに気を配る

例えば退屈そうに腕や足を組んでいたり、まったく別の方を向いていたり、興味がなさそうに無表情でいたりしたら話す側の人はどう感じるでしょうか。いくら相手の言葉を使った返答をしても上手な質問ができても、その前に相手はその人を「自分の話を聞いてくれる相手」と認めることができません。
ずっと目を見るというのも威圧感や緊張感を与えてしまうためNGですが、要所要所で目や目の付近(鼻など)に視線を向けることで、しっかり聞いている印象を与えることができます。また笑顔や真面目な顔など、話題や相手の様子に合わせて表情を変えることも重要です。
初めて出会うときの第一印象のように、相手は視覚的にもどこまで話して良いのか、興味を持ってもらえているのかなど、無意識の内に多くの判断をしています。会話が始まる前から壁ができてしまわないように、視線や表情・姿勢などについても気を配ることが大切です。
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聞き上手になるための意識

冒頭の繰り返しになりますが、聞き上手より「話させ上手」になることを意識することが大切です。1より10、10より100と相手から話を引き出すことで、こちらが何も言わなくても頭の中でバラバラだったパーツが組み合わさるように自分の意見や問題の要点などがまとまっていきます。
本当に話したいことをたくさん話してもらうためには、聞くだけではなくリアクションが必要、質問が必要、そしてときには話を要約して脱線を防いであげることなども必要です。
どれもが明日からすぐできるものではないと思います。ですが、まずは話させ上手の意識を持って相手に話したいことを話してもらうといった寄り添う気持ちを持たない限りは、この先もずっとできることはありません。
最後に

今回は聞き上手になるためには、そしてそれを長所とするためにどうすれば良いのかを、聞き上手の人はどういった特徴があるのかを見ながら考えてきました。
まず最初に、目指すべきは聞き上手よりも「話させ上手」ということ。人は大人になるに連れて誰でも不安やネガティブな気持ちを抱えるようになりますが、話をして自己重要感や承認欲求が満たされることで、その問題がクリアになったり向き合う意欲が湧いたりします。

- 相手の話を否定したり遮ったりしない
- 相手の言葉を使ったり置き換えて返答する
- 求められたときのみ意見やアドバイスをする
- 自分を下げることに抵抗がない
- 的確で本音を引き出す質問ができる
聞き上手の人にはこのような共通する特徴があります。どれも意識することで誰でも身に付けることができますが、明日いきなりできるものでもありません。
まずは相手に対して傾聴し共感するという寄り添う姿勢を崩さず、視線や表情など言葉以外のところにも十分気を配ることが聞き上手になるための第一歩です。その上で聞き上手よりも「話させ上手」の意識をもって、相手に気持ちよく自然に多くのことを話してもらうという気持ちで接することが大切になります。

聞き上手としてのレベルが高まるほど、相手に安心感を与えることで信頼が生まれ、コミュニケーション能力も向上し良好な人間関係を築けるようになります。そして多くの悩みや問題を生む人間関係が良好になることで、ゆとりが生まれ隠れていた幸せにも気付くチャンスが増えていきます。
ひとつひとつは小さな会話。でもその積み重ねが、今の毎日をより豊かなものに塗り替えていくことを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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