こんにちは。
シンガーソングライターの福島亮介です。

 

今回の曲は秦基博さんの「ひまわりの約束」
映画ドラえもんの主題歌として多くの人に感動を与えた名曲です。

主人公が『君』から感じる優しさや温もり、「ここにある幸せ」「本当の幸せの意味」などの歌詞、ひまわりの花言葉、そしてタイトルの「ひまわりの約束」。部分的に見ても優しく温かい雰囲気が伝わってきますが、この曲のストーリーを読み進めるにつれてそのひとつひとつが次々と繋がっていきます。

「ひまわりの約束」というタイトルは何を意味しているのか、最後に主人公が感じる「本当の幸せの意味」とは何なのか。今回もじっくり歌詞を掘り下げて、この曲の魅力に迫っていきたいと思います。

 

 

 

楽曲情報


■秦基博「ひまわりの約束」
17th Single
B面 海辺のスケッチ/グッバイ・アイザック(Acoustic Session with 島田昌典)
発売日 2014年8月6日
収録アルバム 青の光景
作詞 秦基博
作曲 秦基博
編曲 秦基博、皆川真人
MV https://www.youtube.com/watch?v=-qy9W5YWro0




 

歌詞解釈




【Aメロ~Bメロ】今日を宝物に変える『君』の存在






どうして君が泣くの まだ僕も泣いていないのに
自分より悲しむから つらいのがどっちかわからなくなるよ

ガラクタだったはずの今日がふたりなら 宝物になる

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c9d1/l032376.html

この曲での主人公と『君』との関係は、親友としても恋人としても考えることができます。今回は、ドラえもんの主題歌ということとあまり歌詞の中で恋愛要素が見られないことから親友である『君』として見ていこうと思います。

このA~Bメロでは、主人公が感じる『君』からの優しさやそこから生まれる信頼感・安心感などが印象的。

>どうして君が泣くの まだ僕も泣いていないのに
>自分より悲しむから つらいのがどっちかわからなくなるよ
辛い出来事を『君』に打ち明けた直後の場面が想像できます。もしかしたら主人公は、簡単に話を聞いてほしかっただけかもしれません。でも『君』の感情移入や自分事として捉えてくれる優しさや信頼感に、少し戸惑いつつも温かい気持ちになっているような風景が想像できます。



そんな優しさや信頼感から生まれた主人公の心情が、続くBメロの歌詞。
>ガラクタだったはずの今日がふたりなら 宝物になる
『君』の存在によって、今日がガラクタから宝物に変わるほどの影響を受けている主人公。主人公にとっての『君』の存在の大きさや、自分の毎日を意味のあるものにするために必要な存在と感じていることが伝わります。

次のサビからもわかりますが、主人公と『君』の関係はずっと前から続いていて、『君』が自分より悲しんでくれたこの出来事がきっかけで主人公は『君』の大切さや自分の中での存在の大きさを再確認したのかもしれません。そんな主人公の様子も踏まえて、次のサビを見ていきます。


【サビ】「ここにある幸せ」を『君』へ






そばにいたいよ 君のためにできることが僕にあるかな
いつも君にずっと君に 笑っていてほしくて
ひまわりのような まっすぐなその優しさを温もりを全部
これからは僕も 届けていきたい
ここにある幸せに 気づいたから

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c9d1/l032376.html

ひまわりの花言葉は「あなただけを見つめる」。このサビではこの花言葉を連想させる『君』への感謝やまっすぐに『君』を思う主人公の様子が伝わってきます。

>そばにいたいよ 君のためにできることが僕にあるかな
>いつも君にずっと君に 笑っていてほしくて
A~Bメロで『君』が自分のことを大切に思ってくれていると感じた主人公が、恩返しの気持ちと『君』の幸せを願う場面。

「そばにいたい」という歌詞も、漠然と『君』のためにただそばにいてあげたいというより、『君』に悲しい出来事が起きたときすぐに何かできることを見つけられるように、自分からそばにいたいと感じているような印象を受けます。そうすることで、いつもずっと笑っていられる『君』を願い想像しているのかもしれません。


>ひまわりのような まっすぐなその優しさを温もりを全部
>これからは僕も 届けていきたい
>ここにある幸せに 気づいたから
『君』からのひまわりのようなまっすぐな優しさや温もり、これがそのまま主人公の感じている「ここにある幸せ」に繋がっています。

『君』と過ごす時間やそこから生まれる感情や出来事、今まで注いでくれていた愛情や『君』のおかげで意味が生まれ宝物になる毎日など。『君』の存在から自分だけが気付ける時間や空間があり、それによって自分が今までどれくらい救われたかをここで主人公は再確認します。

そしてそれが「ここにある幸せ」であると気付いた主人公は、その再確認した気持ちを今度は『君』に届けていきたい、つまりは今まで自分にくれた温かい気持ちに恩返しをしていきたいと感じているとても心温まる場面です。



また「これからは僕も」「気づいたから」などの歌詞から、このきっかけとなった出来事が前のA~Bメロであった主人公のために『君』が泣くシーンだったのではでないかと考えられます。ガラクタから宝物に変わったと感じる主人公の気持ちもこのサビに表れていますね。


【Aメロ2~Bメロ2】希望的で前向きな不安






遠くでともる未来 もしも僕らが離れても
それぞれ歩いてゆくその先でまた出会えると信じて

ちぐはぐだったはずの歩幅 ひとつのように今重なる

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c9d1/l032376.html

>遠くでともる未来 もしも僕らが離れても
>それぞれ歩いてゆくその先でまた出会えると信じて
「遠くでともる未来」。続く歌詞でもわかりますが、「ともる」という儚く弱々しい雰囲気からもこれは今一緒に過ごしている時間からいつかは離れ離れになってしまうという不安の表現。ぼんやりと絵が浮かぶ情緒的で素敵な歌詞です。

>ちぐはぐだったはずの歩幅 ひとつのように今重なる
そしてこのBメロからも、そんな不安も一度別々の人生を歩みながらもまたその先でまた出会える、そんなドラマチックで希望的なものと捉えていることで哀愁の感じない前向きな印象を持てます。

少し余談ですが、韓国でのひまわりの花言葉は「待ってて欲しい」という意味になるようです。意図されているかはわからないですが、ここでも2人の間に「ひまわりの約束」があるように感じますね。


【サビ2】そのとき笑顔でいるために必要なこと






そばにいること なにげないこの瞬間も忘れはしないよ
旅立ちの日手を振る時 笑顔でいられるように
ひまわりのような まっすぐなその優しさを温もりを全部
返したいけど 君のことだから
もう充分だよって きっというかな

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c9d1/l032376.html

先ほどのA~Bメロを引っ張ったサビ。『君』と離れ離れになったときのことを想像した主人公の心情が描かれている場面。

>そばにいること なにげないこの瞬間も忘れはしないよ
>旅立ちの日手を振る時 笑顔でいられるように
上京、転校や転勤など『君』が自分のもとから旅立っていくとき、笑顔で手を振るために必要なことは何か。「そばにいること なにげないこの瞬間も忘れはしないよ」という歌詞に主人公のその答えが詰まっています。

いなくなって気付く大切さというよくある後悔を感じたり、サビでもある「君のために出来ること」に思い残すことがないように、今『君』と過ごす1日1日を大切にしたい。この歌詞にはそういった主人公の決意も込められているようです。



>ひまわりのような まっすぐなその優しさを温もりを全部
>返したいけど 君のことだから
>もう充分だよって きっというかな
主人公が見せる『君』への甘え、これまでの2人のやり取りや立ち位置などが浮かぶ場面です。控えめで謙虚な『君』を感じているようにも思えるし、もしくは主人公は『君』に兄や姉のような一面を感じていたのではないでしょうか。

優しく寛容で包容力があり、そして頭のAメロで見せるような感受性もある『君』。そんな『君』に対して、日常的に主人公は頼り甘え世話を焼かせていたのかもしれません。「もう充分だよって きっというかな」という歌詞には、自分でもそう感じていることが表れているように感じます。

自分勝手でよく言えば真っ直ぐ自分らしく生きる主人公と、それを優しく見守る『君』。そんな2人の微笑ましい風景が浮かぶ場面です。



『君』が実際に旅立つことが決まっているのか、それを想像している場面なのかということは読み取れません。ただどちらにしても、いつか来るその日に向けて笑顔でいるための方法と向き合っている主人公なので、今はしっかり『君』との時間を大切にできているんだろうなと感じます。


【サビ3】「ひまわりの約束」の意味






そばにいたいよ 君のためにできることが僕にあるかな
いつも君にずっと君に 笑っていてほしくて
ひまわりのような まっすぐなその優しさを温もりを全部
これからは僕も 届けていきたい
本当の幸せの意味をみつけたから

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c9d1/l032376.html

そして最後のサビ。1番のサビと今回のサビで、些細ながら大きな意味を持つ違いが見られます。

1番サビ:ここにある幸せに気づいたから
今回のサビ:本当の幸せの意味をみつけたから
タイトルの「ひまわりの約束」というタイトルが、ここでとても生きてくるように思います。最初は漠然と、離れ離れになる親友同士が再開を約束するというストーリを想像していましたが、今回歌詞をじっくり読んでみてまったく違う局面が見えてきました。

1番のサビで「ここにある幸せ」=『君』の存在から気付く大切な時間や空間に気付いた主人公でしたが、今回見つけたのは「本当の幸せの意味」。この違いは何を意味しているのでしょうか。



ひまわりの花言葉は「あなただけを見つめる」。そして主人公は『君』からのまっすぐな優しさや温もりを「ひまわりのような」と感じていました。主人公は今までずっと『君』がひまわりのような優しさや温もりを自分に与え続けてくれていたことに気付き、そしてその気持ちを今度は自分が『君』に届けていきたいと感じるようになります。

『君』の存在によって大きく自分が変われたこと、そしてそんな『君』へ恩返しをすることで『君』にも同じような幸せに気付いてもらうこと。それこそが今主人公が見つけた「本当の幸せの意味」であり主人公にとっての「ひまわりの約束」なのではないでしょうか。

他にも色々な解釈ができると思いますが、この最後のサビを見ることで「ひまわりの約束」というタイトルの意味と歌詞のストーリーが繋がったような気がします。

 

最後に





大人になるほど、見栄や虚勢、損得などを抜きにして心を通い合わせられる友達を作ることは難しくなります。そして毎日に追われ、大切な人に対して「君のためにできることが僕にあるかな」と思えるようなゆとりもなくなっていきます。

この曲は、そんな毎日と必死に戦う大人にこそ必要な1曲だと思います。人からの優しさや温もりに対する感度、そしてそれに対して自然と生まれる感謝や恩返しの気持ちなど、人と人の間で生きる上で必要なことを教えてくれる大切な1曲です。



この主人公のように日常から自分なりの「本当の幸せの意味」を見つけることができれば、毎日の豊かさは大きく変わっていきます。大切なことがいつしか当たり前のこととなり頭の端っこに埋もれてしまわないように、愛し愛される人との時間をゆとりを持って過ごしていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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