こんにちは。
シンガーソングライターの福島亮介です。

 

今回の曲はいきものがかりの「ありがとう」
終始真っ直ぐで温かい雰囲気が伝わるラブソングですよね。

度々登場する「ありがとう」が示すもの、その気持ちを受け止め伝える「繋がれた右手」。そして感謝の気持ちの上で気付き変わっていく主人公の視点や心情など。

しっかり歌詞を読み込むことで見えてくる魅力がたくさんあります。恋愛の風景を通して伝えている大切なメッセージを、ひとつひとつ紐解いていきたいと思います。

 

 

 

楽曲情報


■いきものがかり「ありがとう」
18th Single
発売日 2010年5月5日
収録アルバム いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~
作詞 水野良樹
作曲 水野良樹
編曲 本間昭光
LIVE https://www.youtube.com/watch?v=Fd3_uMxG608




 

歌詞解釈




【サビ】始まりからわかる曲の本質






“ありがとう”って伝えたくて
あなたを見つめるけど
繋がれた右手は誰よりも優しく
ほらこの声を受けとめている

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c814/l02055d.html

出だしのサビからこの曲が持つ温かく柔らかい雰囲気一色。吉岡さんの透き通った真っ直ぐな歌声で、すぐに「ありがとう」という言葉が頭に残ったまま曲が進んでいきます。

>“ありがとう”って伝えたくて あなたを見つめるけど
この始まりのサビでもそうですが、この曲では最後まで「ありがとう」という気持ちを言葉にして伝えていません。

>繋がれた右手は誰よりも優しく ほらこの声を受けとめている
ですがこの歌詞を見る限り、言葉にしなくてもしっかり気持ちが伝わっていることを主人公は感じ取っています。

ありがとうと伝えようとあなたを見つめるけど、繋がれた右手の温もりや優しさなどから、声になる前の「ありがとう」をちゃんと受け止めてくれている。そんな『あなた』から安心感や信頼感を得て微笑んでいるような姿が浮かびますね。


【Aメロ~Bメロ】「ありがとう」を育む日常






まぶしい朝に苦笑いしてさ あなたが窓を開ける
舞い込んだ未来が始まりを教えて またいつもの街へ出かけるよ
でこぼこなまま積み上げてきた ふたりの淡い日々は
こぼれたひかりを大事にあつめて いま輝いているんだ

“あなたの夢”がいつからか “ふたりの夢”に変わっていた
今日だっていつか 大切な瞬間(おもいで)
あおぞらも泣き空も 晴れわたるように

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c814/l02055d.html

サビで表されている感謝の気持ちや愛情。このAメロ~Bメロでは、2人の毎日からそれらが育まれていく様子が描かれています。

>まぶしい朝に苦笑いしてさ あなたが窓を開ける
>舞い込んだ未来が始まりを教えて またいつもの街へ出かけるよ
「苦笑い」という歌詞から、眠気が残る朝のけだるい様子も感じますが、きれいな言葉や前向きな表現であくまで希望的な雰囲気。そしていつもの街へでかけていく2人、このありふれた日常に幸せを感じている主人公の様子が伝わります。

>でこぼこなまま積み上げてきた ふたりの淡い日々は
>こぼれたひかりを大事にあつめて いま輝いているんだ
そして続くこの歌詞。「でこぼこ」「淡い日々」「ひかりを大事にあつめて」などから、主人公は不器用ながらも目立った出来事などがなくても1日1日を大切に過ごしてきたことを実感しているのがわかります。



ここでいう「こぼれたひかり」とは、そんな毎日から少しずつ培ってきた時間や思い出、絆など2人だけにしかわからない世界。そして主人公は、それが今しっかり2人を結んでいるということに喜びを感じています。

そしてそのままBメロへ。
>“あなたの夢”がいつからか “ふたりの夢”に変わっていた
「あなたの夢」については色々考えられます。もしかしたら『あなた』には独立や趣味からの起業など何かしらの夢があり、主人公はいつの間にかその夢を応援し一緒に乗り越えていこうと思っている自分の気持ちに気付いたのかもしれません。

またはこの恋は『あなた』からのアプローチから始まったもので、『あなた』がずっと描いていた2人で生きていきたいという夢に主人公も共感ができるようになってきたのかもしれません。



>今日だっていつか 大切な瞬間(おもいで)
>あおぞらも泣き空も 晴れわたるように
どんな意味であれこのBメロ最後の歌詞から主人公はどんなときでも『あなた』と共に生きていくこと、そして「あなたの夢」を一緒に見続けることを前向きに捉え、その先にある明るい2人の未来を望んでいるように感じます。


【サビ2】不器用な『あなた』と確かな想い






“ありがとう”って伝えたくて あなたを見つめるけど
繋がれた右手がまっすぐな想いを 不器用に伝えている
いつまでもただ いつまでもあなたと笑っていたいから
信じたこの道を確かめていくように 今ゆっくりと歩いていこう

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c814/l02055d.html

頭のサビではわからなかった『あなた』の人間像と、『あなた』から伝わる想いで主人公の気持ちが固まっていく場面。この曲でも大切な一面です。

>繋がれた右手がまっすぐな想いを 不器用に伝えている
頭のサビで主人公からの「ありがとう」を『あなた』の右手が受け止めていると考えると、今回まっすぐな想いを伝えているのは『あなた』から主人公へということがわかります。そして主人公はその想いが不器用だと感じています。

これは素直になれない性格であったり、言葉が足りないところであったり、でもそんな『あなた』からまっすぐで確かな想いを感じているということではないでしょうか。



>いつまでもただ いつまでもあなたと笑っていたいから
>信じたこの道を確かめていくように 今ゆっくりと歩いていこう
そしてそんな『あなた』への愛おしさが、今までもこれからも「あなたと笑っていたい」という願いに繋がっています。

信じたこの道を確かめて行くように、2人に起こる喜びも悲しみも、快も不快もしっかり受け止めながら共に生きてきたい。不器用な『あなた』からのまっすぐな想いを受けて、主人公に生まれた大切な決意です。そしてここでも、先のA~Bメロで見た「あなたの夢」がしっかり自分の夢になっている情景が伝わりますね。


【Aメロ2~Bメロ2】『あなた』との時間から生まれた気付きと願い






ケンカした日も泣きあった日も それぞれ彩(いろ)咲かせて
真っ白なこころに描かれた未来を まだ書き足していくんだ
誰かのために生きること 誰かの愛を受け入れること
そうやっていまを ちょっとずつ重ねて
喜びも悲しみも 分かち合えるように

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c814/l02055d.html

前回のA~Bメロ同様、ここでも「ありがとう」という気持ちを育むストーリーが描かれています。ただひとつ違う点は、前回のA~Bメロではその風景であったり2人の過去などに焦点があてられていましたが、今回の視点は主人公の心情や気持ちの変化ということ。

>誰かのために生きること 誰かの愛を受け入れること
>そうやっていまを ちょっとずつ重ねて
>喜びも悲しみも 分かち合えるように
これは『あなた』と長い時間を共にして主人公が気付いたこと。『あなた』を知り日に日に2人の時間が大切に思えるようになってきた中で起こった気持ちの変化。



誰かのために生き、愛を受け入れるということの意味。そしてそこから生まれる喜びや悲しみは、これからの2人の世界を作っていく大切なものであるという価値を知り、自分の気持ちが変わってきていることにも気付いたのです。

そしてその気付きが、「真っ白なこころに描かれた未来を まだ書き足していくんだ 」という願いに繋がっていきます。


【サビ3~サビ4】曲の魅力を十分に伝えるラスト






思いあうことに幸せを あなたと見つけていけたら
ありふれたことさえ輝きをいだくよ ほらその声に寄り添っていく

“あいしてる”って伝えたくて あなたに伝えたくて
かけがえのない手をあなたとのこれからを わたしは信じているから
“ありがとう”って言葉をいま あなたに伝えるから
繋がれた右手は誰よりも優しく ほらこの声を受けとめている

出典:http://j-lyric.net/artist/a04c814/l02055d.html

>思いあうことに幸せを あなたと見つけていけたら
>ありふれたことさえ輝きをいだくよ ほらその声に寄り添っていく
ここで注目したいのは、主人公の意識の成長。ここまでの歌詞では、主人公が自分の気持ちに気付いたり整理をしたり、またはあくまで自分の視点で2人の未来について考えているような印象がありました。

ですがここのサビでは、「思いあうこと」「あなたと見つけていけたら」というように『あなた』を含めた2人の視点で未来を見ていきたいという主人公の願いがあるように思います。その2人の視点で見たいものは何か、それは先のBメロで登場した「ふたりの夢」です。



>“あいしてる”って伝えたくて あなたに伝えたくて
>かけがえのない手をあなたとのこれからを わたしは信じているから
>“ありがとう”って言葉をいま あなたに伝えるから
>繋がれた右手は誰よりも優しく ほらこの声を受けとめている
そして迎えるラストのサビ。ここで初めて出てくる「あいしてる」という言葉、「伝えるから」という強い意思表示など、主人公の愛情の高まりを感じるクライマックスにふさわしい最後です。

何度か曲中に出てくる「繋がれた右手」は、当初どちらのものか曖昧でしたが、歌詞を読み進め状況を理解するにつれてこれは『あなた』のものだということがわかりました。



この「繋がれた右手」はサビの頭では主人公の声にならない「ありがとう」を優しく受け止め、次のサビでは不器用でまっすぐな想いを主人公に伝えています。この時点で、主人公は2人の想いが確かのものであるということがわかっています。

それでも尚、「あいしてる」「ありがとう」と言葉にして伝えたい。ここで最大の盛り上がりを見せますが、やはり最後は「繋がれた右手は誰よりも優しく ほらこの声を受けとめている」と言葉にすることなく曲は終わります。

終わりまで気持ちを言葉にせずに、それでもわかり合えている2人が伝わる演出。この曲の持つ温かさや純真さなどの理由がわかる、素晴らしい最後ですよね。

 

最後に





主人公の『あなた』に対する揺るがない想いがあり、『あなた』との時間の中で変わっていく心境や未来があり、育まれるふたりの愛情があり。そして最後まで伝えたい気持ちを言葉にせず、それでも気持ちが通い合う2人。主人公がそれをしっかり理解し心地よい雰囲気の中進むストーリー。

恋愛の温かい部分だけではなく、日本人ならではの情緒や慎ましさがあり、そこに共感できるのがこの曲の魅力ではないかと思います。そしてこの曲に登場する2人のように、誰かと過ごす時間の中からひとつずつ幸せを見つけられる毎日。この曲はそんな忘れがちで大切なことを伝えているように思います。

今近くにいる大切な人の存在とその人と作る時間や空間を大切にできる。そんなゆとりある毎日を過ごしていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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