こんにちは。
シンガーソングライターの福島亮介です。

 

 

 

今回の曲はMISIAの「アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN)」。
ドラマ「義母と娘のブルース」の主題歌とGReeeeNとの初コラボレーション作品として話題になった1曲。

耳に残る可愛らしく温かい言葉や優しくきれいなメロディ。およそラブソングに必要な要素がもれなく盛り込まれ、それらがMISIAの日本人離れした歌声によって伝えられます。きっと多くの人が感動しましたよね。

「アイノカタチ」の意味や主人公が本当に伝えたかった一言、そしてこの曲から読み取り学ぶべきことなど。今回も歌詞を掘り下げ、深いところに隠れているメッセージを読み解いていきたいと思います。それでは一緒に見ていきましょう。

 

楽曲情報


■MISIA「アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN)」
35th Single
B面 Lady Funky
発売日 2018年8月22日
収録アルバム Life is going on and on
作詞 GReeeeN
作曲 GReeeeN
編曲 亀田誠治
MV https://www.youtube.com/watch?v=IX87le_EokM




 

歌詞解釈




【Aメロ~Bメロ】自分と『あなた』の愛のカタチ






あのね いつの間にか 気づいたんだ
愛にもし カタチがあって
それがすでに わたしの胸に はまってたなら

きっとずっと 今日よりもっと
あなたのことを知るたびに
そのカタチはもう あなたじゃなきゃ
きっと隙間を作ってしまうね

出典:https://www.uta-net.com/song/253191/

出だしやサビにも使われている「あのね」と語りかける始まり。この曲の特徴的な部分ですよね。一般的に「あのね」と話し始めるときの様子を思い浮かべると、本題に入る前の気持ちの整理や雰囲気作りのような効果もありつつ、しっかり伝えたい、聞いてほしいという気持ちの表れのような印象があります。

それを踏まえて始まりの歌詞を見てみます。
>あのね いつの間にか 気づいたんだ
>愛にもし カタチがあって
>それがすでに わたしの胸に はまってたなら
まず主人公が感じたことは、愛にはある特定の形があってそれがすでに自分の胸にはまっていたとしたらという仮定。そしていつの間にかそう思っている自分への気づきです。

人名や物の名称などその対象が不明確だったときにカタカナで表記されることがありますが、この「カタチ」という表現からも主人公が今感じている愛の形が不明瞭であったりぼんやりしたものであるという印象が伝わります。


この始まりから読みとれるのは「いつの間にか」と思える程度の時間が二人の間にあるということ、そして主人公の中でこの気づきとなる何かしらの変化があったということ。そして冒頭でも見た「あのね」という語りかけから、主人公はこの気付きをしっかり受け止め伝えたいと思っていることです。

ここではあまり掘り下げずに次の歌詞を見ていきます。

>きっとずっと 今日よりもっと
>あなたのことを知るたびに
>そのカタチはもう あなたじゃなきゃ
>きっと隙間を作ってしまうね
先ほど見た「愛にもしカタチがあって、それがすでにわたしの胸にはまってたなら」という仮定。それはここの心情を伝えるためにあります。

今はまだ曖昧で不明確な愛のカタチが、今日よりもっと『あなた』を知ることで徐々に明確になっていく。そしてこの先自分の胸の中にある愛のカタチは『あなた』のものでないと隙間を作ってしまう、これはつまり『あなた』以外ではもう自分の望む愛情を満たすことができないと感じている比喩です。


「きっと隙間を作ってしまうね」と軽い投げかけのような同意を求めるような結びになっていますが、ここにはまず自分の胸の中にある愛の形が『あなた』のもので隙間無く埋め尽くされてほしいという願望があります。そして続きの歌詞を見ていくとよりわかりますが、この先『あなた』の持つ愛の形へと変えていきたいという意志も込められています。

次のサビで胸の内をストレートに伝える主人公ですが、その前に「あのね」と雰囲気作られた前置きの部分があることでその気持ちがより伝わってきます。


【サビ】「大好き」に隠れた幸せ






あのね 大好きだよ
あなたが心の中で 広がってくたび
愛が 溢れ 涙こぼれるんだ

出典:https://www.uta-net.com/song/253191/

>あのね 大好きだよ
>あなたが心の中で 広がってくたび
>愛が 溢れ 涙こぼれるんだ
Aメロにある「いつの間にか気づいたんだ」という主人公の変化、そして愛には形がありそれはいずれ『あなた』のものでなければ隙間を作ってしまだろうという感じている心理。これは今まで無意識の内に心の中で広がり続けていた『あなた』の存在を意識的に認め、その幸せの中で生きている自分を実感したことで芽生えたもの。

そしてその幸せに気づいた主人公は、"あらためて"「あのね大好きだよ」と伝えます。『あなた』がこんなにも自分の中で大きな存在になっていたことを知り、少しずつ自分の中の愛のカタチにはまりつつある感覚を覚え、その過程で生まれた何千もの感情や言葉がこの一言に隠れているように思います。


更に最後を締める「愛が溢れ涙こぼれるんだ」という歌詞。この理由はひとえに『あなた』への感謝に尽きます。自分が深く誰かを愛せるという喜び、愛することからまたひとつの居場所や違う世界の見え方が生まれるという発見。

そして所属感を得て新しい世界観を持つということが、今までただ客観的に見ていた事実や風景ひとつひとつに意味を与えて、自分の人生を豊かなものに変えていくという成長。こういった自分の中に生まれた幸せに気づかせてくれた『あなた』への感謝の気持ちが、「愛が溢れ涙こぼれるんだ」という歌詞には詰まっているのではないでしょうか。


【Aメロ2~Bメロ2】育まれる二人のカタチ






これから沢山の 泣き笑いを
知るたびに増えていくの
飛び出たとこ へこんだとこ 二人になってく
時にぶつかり すり減って
そして また 埋めあっていけばいい

出典:https://www.uta-net.com/song/253191/

ここでは主人公が思い描く二人の愛のカタチが育まれていく様子がわかります。

>これから沢山の 泣き笑いを
>知るたびに増えていくの
>飛び出たとこ へこんだとこ 二人になってく
「飛び出たとこ へこんだとこ」これは二人の価値観や常識、正義や善悪の違いなどまだお互いの知らない部分を表す比喩。そして「沢山の泣き笑い」という二人だけの時間や空間を経て、「お互いの知らない部分=愛のカタチのずれ」を補正していくための手がかりが増えていきます。

この先の『あなた』との時間を見据え、その厳しさや苦悩も真摯に受け入れようとしている。そんな主人公の姿勢が伝わってくるようです。


>時にぶつかり すり減って
>そして また 埋めあっていけばいい
続く歌詞からもその様子がわかります。これはすべて「二人になってく」ためにお互いの愛のカタチを整えていくための作業。けんかもして嘘もついて、後悔を知り未熟さを知り長く共に過ごすことの難しさを知り。

それらをすべてお互いで埋めあってひとつの愛の形ができあがる。そして自分の胸に隙間を残さずはまっていく。主人公はそんな未来を前向きにとらえ、愛の形を育もうとしているのです。


【サビ2】「アイノカタチ」の意味






大好きなあなたが そばにいないときに
ほら 胸が痛くなって
あなたのカタチ 見える 気がしたんだ

あのね 大好きだよ
何万回も 伝えよう
温かく増えた想いは
全部 アイノカタチです

出典:https://www.uta-net.com/song/253191/

>大好きなあなたが そばにいないときに
>ほら 胸が痛くなって
>あなたのカタチ 見える 気がしたんだ
親子や恋愛関係などでよく語られる「離れているときに気づく大切さ」が描かれている場面。ここでもこの曲のタイトルでありテーマとなっているアイノカタチをもってそれが表現されています。

ここで胸が痛くなる主人公の心理を掘り下げて考えてみます。胸が痛くなる理由、その目的はなんでしょうか。『あなた』がそばにいないときに起こる胸の痛み、この正体はそばにいるときにはいつもしている会話や触れあうことなどができず、自分の世界に『あなた』が存在しているという実感が薄れることで生まれる不安や焦りからくるものでしょう。

とすると、言うまでもなくこの「胸が痛くなる」症状の目的は、主人公を『あなた』のそばにいさせ続けようとするためのもの。離れることを拒否するためのものです。主人公は漠然とただ「胸の痛み」として捉えているだけだと思いますが、この裏側で働く心理こそが、そばにいるときよりもリアルに冷静に「あなたのカタチ」を主人公に考えさせます。

ここで一歩引いて冷静に考える主人公を見ることで、次からのサビがよりグッと入ってきます。


>あのね 大好きだよ
>何万回も 伝えよう
>温かく増えた想いは
>全部 アイノカタチです
盛り上がりのある間奏明けから一度落ちる曲調も手伝って、ここのサビは曲中で一番メッセージが重視されている場面です。

先ほどのサビで見た、『あなた』と離れているときには胸の痛みを伴いながら「あなたのカタチ」について考えきた主人公。ここに至るまで長い時間をかけてきたことが予想されますが、その末に見つけた答えが「何万回も伝えよう」という決意であり、「温かく増えた想いは全部アイノカタチです」という確信です。

そして注目したいのは、ここで初めて登場する「アイノカタチ」という歌詞。↑の決意や確信を持った主人公がここで初めて使う「アイノカタチ」という言葉には特別な意味があると考えられます。


先ほど「人名や物の名称などその対象が不明確だったときにカタカナで表記されることがある」と書きました。ただ、明確な答えを持った今でもなお、なぜ「愛の形」ではなく「アイノカタチ」として表現されているのでしょうか。いくつかの解釈ができると思いますが、それは主人公が「ひとりでは成し得ないもの」と感じているからでしょう。

自分にも『あなた』にもあるアイノカタチ。何万回も伝え温かく増えていくお互いのアイノカタチ。その無数のカタチを長い時間をかけて二人でひとつの「愛の形」に変えていく。その過程で生まれる大切な意味や幸せ、そして可能性を信じる気持ちを含んだ、あえての「アイノカタチ」という表現なのです。

【サビ3】本当に伝えたい大切な一言






ずっと ずっと 大好きだよ
あなたが心の中で 広がってくたび
愛が 溢れ 涙こぼれるんだ
星の数ほどの中
ただ一人のあなたが 心にいるんだ
あのね あのね ずっと 大好きだよ
大好きだよ ああ ありがとう

出典:https://www.uta-net.com/song/253191/

そして最後のサビで、主人公が本当に『あなた』に伝えたい言葉が登場します。それはこの曲の最後を締める、ここまで見た主人公の心理描写を総括する「ありがとう」の一言。

1番のサビでも少し触れましたが、この曲は終始主人公から『あなた』に向けられた感謝の気持ちが舞台となりストーリーが進んでいます。どの部分の歌詞にも、その最後に「ありがとう」と付け足してみるとそれがよくわかります。

愛を知り『あなた』を知りそして自分を知り、それらは確実に主人公の人生にかけがえのない意味を与え続けます。今まで見ていた空も花も建物も、耳にしていた会話も雑踏もBGMも、あらゆる見方や感じ方が一転します。


ここまで歌詞を見てきて、最後の「ありがとう」には、愛する喜びを教えてくれたことと同時に自分に芽生えた幸せに気づかせてくれたことや、人生に意味を与えてくれたことへの感謝が込められているのではないかと感じます。

 

最後に





主人公の『あなた』に対する強い愛情が、「アイノカタチ」の成長と共に描かれている本曲。ここまで見てきて感じることは、この「アイノカタチ」がひとりひとりの人生の課題となるということ。

人間は誰もが、恋人に限らず親子や家族・友人や同僚など誰かしらと共にするアイノカタチを持っていて、その正体を追求しアイノカタチ→愛の形へとたどり着くための努力をし続ける。そしてそれこそが人生のひとつの課題であり、その過程で建設的に行われる信念や世界観の変化が自分の中に次々と幸せを生み出していく。そんなメッセージが伝わるようです。

シンプルなラブソングには、リスナーの主観がとても大きく関係してきます。その曲中には表されていない裏側のストーリーや行間が作り出す雰囲気や温度感。それをリスナーがどう捉えるかで、その曲は数多くの表情を見せます。


この曲も、聴く人が変わればその意味も変わるでしょう。ただ決して変わらないことは、誰もがこの歌詞に書かれている事実だけを見ているのではなく、自分なりの意味や解釈を通して感じているということ。この曲には自然とそうさせる魅力があるのだと感じました。

この曲の主人公のように、「アイノカタチ」を追求することで自分の人生にしっかりと意味を与えて毎日を過ごしていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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